2018年11月13日付日経新聞朝刊の文化面に掲載された正岡明氏(正岡子規研究所主宰)の記事「書簡に見る明治人の交遊」の要約を紹介する。
正岡氏の祖父で、明治時代の外交官である加藤拓川(本名恒忠、1852~1923年)が所蔵していた2,500通程の書簡(500通)と絵葉書(2000通)である。
司馬遼太郎は拓川について「もう少し出世欲があれば外務大臣、いや総理大臣にもなれたのでは。友達をつくるために生まれてきたような人ですね」と評していたという。
これら書簡の差出人は、山形有朋、中江兆民、徳富蘇峰、渋沢栄一、森鴎外、犬養毅、秋山好古らの政治家、思想家、言論人等。絵葉書はベルギー赴任中の外交官時代のものが多い(例えば、ロシア公館付陸軍武官明石元二郎等)。特に大事にしていたのは西園寺公望、原敬、陸羯南らの手紙だという。
明治の人物像として、来年出版する予定。
しぶさわ