金州は、かつて旅順や大連に港が設置される以前、遼東半島の先端地域の中心であり、城壁に囲まれた都市であった。
われわれ一行は、その面影を見学したいと思っていたのだが、中国人ガイドによると、城壁はまったく跡形もなく残っていないという。ただ、城壁都市の模型を金州博物館で見ることができた。
それは5メートル四方の模型ではあったが、目の前にすると模型でも迫力を感じた。実際の大きさは、東西600メートル、南北760メートルの長方形で、レンガ城壁の高さは6メートルあったという。巨大な城壁に囲まれて壮観であったと思う。
金州博物館は、他に日清・日露戦争の資料も展示されていたが、書いてある内容を知ると複雑な思いがした。
当日の博物館はわれわれ一行だけであった。まだ新しい建物であり、一般開放されていないのだろうかと不思議に思った。また、図録もいいものがなく、りっぱな施設であるだけに残念でならない。
金州博物館の玄関
当時の城壁のパネル
いしがみ