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<羯南と古島一雄>(33) 私立大学評判記(その22)

 今回は、明治36(1903)年11月10日発行の「(八)私学と文部省」を取り上げる。 
 本編に入る前に、まず日本の高等教育の現状をまとめておこう。

 平成21(2009)年度の大学在学者数は、285万人であり、そのうち私学は209万人で、実に73%を占める。また、私学は収入の約9割を学生の授業料でまかなっており、国からの補助金は約1割に過ぎない。ちなみに学費は国公立が82万円、私学が131万円である。

 これを欧米諸国と比較すると、日本のおかれている状況がよくわかる。

 アメリカは国立大学はなく、州立大学の学生数が77%(2000年)であり、残りが私学となる。州立の経費は、51%(1999年)を州と国が負担し、残りを授業料、民間からの寄付金や研究補助金など多岐にわたる財源でまかなっている。学費は、州立が50万円、私学が209万円。ただし奨学金制度が充実し、それでほとんどをまかなえる。

 また、イギリスはすべての大学が設置形態としては、独立の法人という私学であるが、経費のほとんどを国が負担している。学費は、45万円である。

 一方、フランスはほぼすべてが国立大学であり、経費の多くを国が支出している。学費は、1.9万円。さらにドイツは、多くが州立大学であり、その経費は州および国が負担している。なお、学費は1.8万円である。

 以上から日本の高等教育では、私学が学生数の7割以上を占め、しかも収入の約9割をみずからがまかなっており、いかに私学の果たしている役割が大きいかがわかる。

 しかし、このように我が国の高等教育において、ある意味、私学が国の役割を大きくカバーしているとも言えるが、私学は文部科学省の教育方針に従順にしたがい、異議を唱えることをしない。

 言い換えれば、文科省はわずかなお金で私学をうまく取り込み大きな役割を担わせているにもかかわらず、私学は文科省に頭が上がらないのである。

 実は、こうした状況を生み出した原点は、明治時代にある。
 古島一雄は、まず明治時代初期から中期にかけて文部省は、私学を敵視し、その発達を妨げてきたと述べる。

 そして、古島は以下のように続ける。

 「帝国大学に特権を与へしは、大学をして官吏養成所たらしめんが為にして、必ずしも私学を撲滅せんと欲せしにあらざるべしと雖も、一方を保護する所以は、一方を圧抑する所以にして、其結果が、私学の発達に至大の妨害を与へたるは何人も認知する所なり。」

 さらに、次のように述べる。

 「其他或は徴兵猶予の特典と日ひ、或は設備細則と日ひ、或は教員の検定と日ひ、文部省が苛酷なる干渉を私学へ加へつつあるは明白なる事実にあらずや。」

 当時、文部省は、大学は帝国大学しか認めなかったし、そこでの特権を絶大な権力で維持した。私学は大学と名乗るものも出たが、法律上は専門学校に過ぎなかったし、特権を得るためにはその許認可権を持つ文部省の言いなりになるしかなかった。

 こうした状況は、古島にとって、実に不満であった。

 ひるがえって現在の大学の課題を少し指摘しておこう。
 日本の高等教育では、私費負担が大きく、しかもそれを家計が負担している割合が非常に高いので、これがさらに格差を固定化し、拡大する危険性をもたらしている。

 また、画一化教育にしばられ、真に私学の特色が出せない。例えば、フリースクール的に、カリキュラムに縛られず自由に学べる大学があってもいいのではないだろうか。

 いしがみ
by kuga-katsunan | 2010-08-28 18:24 | その他
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明治を代表する言論人・ジャーナリストである陸羯南の足跡を追う          昭和後期~平成におけるマスコミ界のご意見番・青木彰の弟子達による記録
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