青厓国分高胤は、その友人たちに比べると長命であった。
若き日よりの自由奔放の生き方が彼の生を長からしめたのかもしれない。
入谷仙介は、<青厓詩存>の解説の中で
<性格は天才肌で奔放を極めた。(中略)家を一たん出ると何日も帰宅しない。妻はそのために知人に葉書を出して所在を尋ねる。葉書の文面が。「主人高胤事」に始まり、いつも同じなので、知人の間で高胤事といって評判になった。時としてはそのまま旅に出、旅先で買った本が送られてきて、初めて行方がわかるようなこともあった。>
(汲古書院、昭和58年)
GPS機能を使ってたちどころに居所が把握されてしまうような現代とは違ってまことにノンビリした話だが、今となっては、その自由さが、非常に羨ましい部分もある。
たかぎ