最近立ち読みして買った本に森銑三の明治人の人物伝があります。手元に本がないのでタイトルは忘れましたが(岩波)、一節を陸羯南にあてています。冒頭、朝日新聞の死亡記事で始まるものです。一次資料を参考にして書いているだけにややすだれ越しの人物論ですが、「日本」はこうやったらもっと読まれるようになるのに、という周囲の助言に対して一切関心を払わなかったという逸話が出てきます。
没後しばらくたってから朝日新聞はベルギー大使だった加藤氏(拓川でしたっけ、正岡子規の紹介者)と池辺三山の追想録を載せたといいます。
その三山の熊本の親の話が久しぶりに読み始めた石光真清の「城下の人」(中公文庫、これは名作です。全4巻ですが)に出てきていました。記憶違いでなければ「歴史の終わり」「米国の終わり」を著しているフランシス・フクヤマの母方のおじいさんも明治生まれの九州の知識人だったとか。
とりとめもなく、とても研究の糸口にもなりそうにない話ばかりですが、新聞人の大先輩はいろんなところに足跡を残しています。 はらだ